エステティシャンとは、エステサロンに来店されるお客様へカウンセリングを行い、フェイシャルケア・ボディケア・脱毛ケアなどの施術を行う職種です。お客様の肌や体型、美容に関するお悩みを丁寧に伺いながら、美しくなるためのサポートを行います。
エステティック業の総務省の定義としては、「手技または化粧品・機器等を用いて、人の皮膚を美化し、体型を整えるなどの指導または施術を行う事業所」とされています。

「年齢を重ねてもずっと美しくありたい」という気持ちを理解して寄り添い、一人ひとりに合ったサービスを提供します。

エステティシャンの仕事

では、エステティシャンの仕事内容について、具体的にご紹介します。

カウンセリング

エステティシャンで最も重要な業務は、事前にお客様からお悩みを伺うカウンセリングといえるでしょう。

シミやシワ、ニキビといった肌のお悩みや、お腹周りや腕の太さ、胸のサイズといった体型に関するお悩みは、なかなか他人には伝えづらいものです。コンプレックスを抱えたお客様に向き合い、笑顔で丁寧に話を伺いながら、それを解消するための方法を寄り添って考えご提案します。サービスを受けることにより、どのような自分に変われるのかを、楽しく想像していただけるよう配慮します。

施術

施術の内容は、主としてフェイシャルエステ、ボディエステ、脱毛ケアの3種類に分けられます。

1. フェイシャルエステ

フェイシャルエステは首から上に対する施術全般を指します。シワやたるみの改善、美白、保湿などのスキンケアや、小顔に見せることなどを目的として、器具や手技を用いて施術を行います。ヘッドスパや顔のマッサージにより血流を良くし、肌トラブルなどを改善します。

2. ボディエステ（痩身など）

ボディエステは身体全体に関わる施術全般を指し、肌を美しくするケアや、痩身（ダイエット）を目的とするケアを行います。ボディマッサージで発汗を促したり、老廃物を取り除いたりして、美しい肌・身体を作っていきます。

3. 脱毛ケア

脱毛専用の機材を用いて、部分脱毛から全身脱毛までを対応します。エステティシャンが行う脱毛は美容脱毛と呼ばれる分野で、美容ライトなどを用いて施術を行います。1回の脱毛では効果が低いため、何度かサロンに通っていただき定期的に施術を行うことになります。
なお、レーザー光線などを毛根に照射するタイプの脱毛は医療行為に該当するため、医療機関でなければ実施できず、エステティシャンが対応することはありません。

美容関連商品の販売促進

エステサロンでは化粧品やスキンケア用品、美容器具など、様々な美容関連商品を扱っており、それらの販売促進もエステティシャンの仕事です。エステサロンにおける施術だけでできることは限られており、美容の効果を高めるためには、お客様自身によるケアも大切になってきます。美容の専門家としてしっかりとした知識をもとに、ケア用品の使い方や特徴などを紹介します。

エステサロンの接客業務

受付や会計業務もエステティシャンの仕事の一つ。エステサロンに来店されるお客様に気持ち良く過ごしていただけるよう、笑顔で接客対応を行います。接客対応に満足いただければ次回来店の動機付けにも繋がり、リピーターが獲得できるようになるでしょう。

その他のサロンワーク

その他にも、施術に使うタオルやガウンの洗濯や器具の洗浄、サロンの清掃、消毒、器具のメンテナンス、商品の在庫管理、売上管理など、様々なサロンワークがあります。
また、継続的にお客様にサロンに来ていただけるよう、ダイレクトメールの送付やウェブサイトの情報更新など、集客業務を対応する場合もあります。

エステティシャンの仕事

エステティシャンの年収（給料）や将来性

続いて、エステティシャンの給料や将来性についてご紹介します。

給料はエステサロンを出店する地域や店舗の状況によりそれぞれ異なりますが、チェーン展開されている大手のエステサロンの場合、30代の平均年収は300万円〜400万円程度、月収にするとおよそ22万円といわれています（厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」）。

エステサロンの仕事はシフト制をとっていることが多く、週末や祝日に予約が増えるため、勤務時間は不規則になりがちです。立ち仕事が多く体力を要する大変な仕事ではありますが、施術を受けたお客様が美しく、目に見えて生き生きしていく姿に自分が関われること、自分の知識や技術が役立つことは、何よりも大きなやりがいといえます。

また、最近では男性の美意識も高まっており、男性を顧客としたサービス展開による市場拡大が見込まれます。

参考：https://shingakunet.com/bunnya/w0030/x0386/nenshu/

エステティシャンになるための資格

それでは、エステティシャンになるために必要な資格についてご紹介します。

エステティック分野で代表的な民間資格を認定する団体としては、日本エステティック協会（AJESTHE）と、日本エステティック業協会（AEA）が知られています。それぞれで認定している資格をご紹介します。なお、受験にあたっては協会認定校で一定時間のコースを修了することや、一定の実務経験を積むことなどが定められており、高校卒業後にすぐに受験することはできません。

エステティシャンになるための資格

AJESTHE認定エステティシャン

AJESTHE認定エステティシャンは、基本的な知識・技術を持ち、担当範囲のエステティックサービスを適切に提供できる能力を有するエステティシャンに与えられる資格です。

AJESTHE認定上級エステティシャン

AJESTHE認定上級エステティシャンは、認定エステティシャンの上位資格。エステティックに関する専門的な知識・技術を有し、お客様ニーズに応えるエステティックサービスを提供することで店舗・サロンの利益やお客様満足を実現できる能力を有するエステティシャンに与えられます。

AJESTHE認定トータルエステティックアドバイザー

AJESTHEが認定する最難関の資格が、認定トータルエステティックアドバイザーです。認定上級エステティシャンの上位資格で、エステティックを総合的に深く理解し、お客様に求められる実践力とサロンでの指導力を有しているエスティシャンに与えられます。
資格の認知度も高く、独立開業や指導者を目指す人が数多く取得しています。

AEA認定エステティシャン

AEA認定エステティシャンは、エステティシャンとしてキャリアをスタートできる証明となる資格です。基礎知識と技術を持ち、禁忌や注意事項を理解し安全な技術提供ができるレベルです。

AEA上級認定エステティシャン

これはAEA認定エステティシャンの上位資格です。フェイシャルとボディの総合的な知識と技術を持ち、エステティックトリートメントを技術的に熟知した、エステティックサロンの中核として実践的に活躍できるレベルの証明となります。

AEA認定インターナショナルエステティシャン

AEA認定インターナショナルエステティシャンは最上位の資格です。技術的にも理論的にもエステティックを熟知し、幅広い視野と柔軟な対応力で様々なコース提案・実践できる証明となります。エステティックサロンやスクールなどで人材育成ができるレベルです。

詳しい受験資格や試験内容などの詳細は、それぞれの公式サイトをご確認ください。

一般社団法人日本エステティック協会（AJESTHE） https://ajesthe.jp/esthetician/details_est/
一般社団法人日本エステティック業協会（AEA） https://www.esthesite.jp/aea_esthetician/about_license/

エステティシャンになるための方法

エステティシャンになるための方法としては、高校または大学卒業後、次の3種類のいずれかを辿る道が主なルートです。

美容専門学校のエステティックコースで学ぶ

1つ目は、美容専門学校の教育課程に通い、エステティックコースまたはトータルビューティーコースで学ぶ方法です。学ぶ期間は昼間課程・夜間課程では2年以上です。費用は200万円前後かかるものの、基礎からしっかりと実力を身に付け、美容の総合力を武器にできる学び方といえます。

エステティック専門のスクールで学ぶ

2つ目は、エステティック専門のスクールに通う方法です。専門学校よりも専門性に特化しており、美容を総合的に学ぶよりも、まさにエステティックを学びたい方に向いています。
エステティックスクールは学校法人ではないため、カリキュラムの自由度が高く、通うスクールによって特色や学ぶ期間、学び方（通学か通信かなど）、学費は異なります。

エステティックサロンで実務経験を積みながら学ぶ

3つ目は、エステティックサロンでパート・アルバイトとして実務経験を積みながら、実践的に学ぶ方法です。未経験・無資格者向けの求人を出しているエステサロンもあり、そうしたサロンへ就職することからキャリアが始まります。
ただし、はじめのうちは特に掃除や受付、施術準備のサポートなど、施術以外のサロンワークが主務となります。研修や営業時間外での練習をするなどでコツコツと実力を付けていく大変さがあります。

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