年収はエステサロンを出店する地域や店舗の状況によりそれぞれ異なりますが、チェーン展開されている大手のエステサロンの場合、30代の平均年収は300万円〜400万円程度といわれています（厚生労働省「平成27年賃金構造基本統計調査」）。
まずは、正社員の場合、パート・アルバイトの場合、派遣社員の場合、そしてサロンを独立・開業する場合の違いについてご紹介します。

正社員の場合*1

エステティシャンの正社員の場合の平均年収は、およそ350万円、ボリュームゾーンとしては300万円前後となっています。月給にすると29万円、初任給は21万円程度が相場と言われています。
給与全体の幅としては、約250万円〜約540万円の範囲となっており、他の職種と比較すると、勤務先や経験値で大きな差は付きにくい職種といえます。

エステティシャンは女性が多い職業になりますが、国税庁の令和元年分の調査*2によると、女性の正規職員の平均給与は約389万円であり、これと比較すると、エステティシャンの平均給与はやや低い傾向があります。

パート・アルバイトの場合*1

雇用形態がパート・アルバイトになると、平均的な時給は990円といわれています。

派遣社員の場合*1

派遣社員の場合はパート・アルバイトよりも若干時給が上がり、平均時給はおよそ1,400円です。

一概に比較できませんが、女性の非正規職員全体の平均給与*2は、年収で約152万円とされています。エステティシャンには女性が多いため、概ねこちらと似たような年収帯になることが推察されます。

エステサロンを独立・開業する場合

エステサロンを独立・開業する場合の平均年収については、エステサロンに従業員として勤務する場合と大きく異なり、500万円〜1,000万円、場合によってはそれ以上といわれています*3。お客様から指名をもらえて固定客が複数名付くようになれば、より高い年収が見込めるようになります。

雇用形態別・エステティシャンの平均年収

都道府県別・エステティシャンの平均年収

次に、都道府県別のエステティシャンの平均年収*1についてもご紹介します。

前述の通り、エステティシャンの平均年収の幅は、独立・開業しない限りはさほど大きな差はありません。
正社員の平均年収が最も高いのは関西地方で、年収366万円とされています。高給与の都道府県順では、京都府の年収が419万円、奈良県の年収が413万円、大阪府の年収が350万円です。
なおパート・アルバイト、派遣社員の時給は、全国平均と同程度です。

*1：参考：エステティシャンの仕事の平均年収は337万円／平均時給は962円！給料ナビで詳しく紹介
*2：参考：国税庁長官官房企画課民間給与実態統計調査
*3：参考：エステティシャンの気になる？年収・給料・収入【スタディサプリ進路】

エステティシャンとして年収アップを目指すには

では、エステティシャンとして年収アップを目指すには、どのような方法があるのでしょうか。給与アップを実現する方法を3つご紹介します。

売上に応じたインセンティブを稼ぐ

昇給の規定は勤務先により異なりますが、自身の売上からインセンティブが付くエステサロンもあり、売上貢献度によりさらに給料が高くなる可能性があります。インセンティブ制度のある店舗であれば、指名してくれるお客様増えたり、店舗で取り扱っている化粧品やケア用品が売れたりすると、販売額に応じた金額が通常の給与に上乗せして支給されます。

資格取得によるスキルアップ

これも勤務先により状況は異なりますが、エステティシャンとして技術力を証明できる資格取得により、給与のランクがアップする場合があります。難易度の高い資格を取得していれば、それだけお客様から厚い信頼を得られる可能性が高まり、エステサロンのPRにもなるため、このような制度を設けている店舗があります。

独立・開業する

前述の通り、経験を積んで独立・開業した場合の平均年収は500万円〜1,000万円、あるいはそれ以上にもなることがあります。自身で店舗を立ち上げるとなると、前提としてまとまった金額の投資は必要となりますが、固定客が複数付くようになれば、独立・開業する道が開けるでしょう。

エステティシャンとして年収アップを目指すには

エステティシャンになるには

最後に、プロのエステティシャンになるための方法を簡単にご紹介します。
エステティシャンになるには、特別な資格取得は必要ではありません。しかし、プロとしてお客様に施術を行うには、もちろんエステに関する専門知識や技術が必要となります。一般的なルートとしては、高校または大学卒業後に、次の3つのうちいずれかの方法で学びます。

美容専門学校のエステティックコースで学ぶ

エステティシャンになるには、美容専門学校に通ってエステティックコースまたはトータルビューティーコースで学ぶ選択肢が、最も多い道になるかと思います。美容専門学校には昼間課程・夜間課程（いずれも2年以上）があり、学費はおよそ200万円前後とされています。

費用はかかるものの、美容専門学校は学校教育法に基づく学校法人であり、美容について総合的に実力を身に付けるためのしっかりとしたカリキュラムが組まれています。エステに関する知識だけでなく、総合力を鍛えられるメリットは大きいといえます。

エステティック専門のスクールで学ぶ

また、エステティックを学べるスクールに通う手段もあります。エステティックスクールは美容の総合力というよりは、エステの知識・技術に特化して学ぶ形となります。授業内容は専門学校と比較すると自由度が高く、学び方（通学か通信か）や特色、学費などはスクールにより大きく異なります。まさにエステティックを専門で学びたい方にとっては適した選択肢となるでしょう。

エステティックサロンで実務経験を積みながら学ぶ

専門学校またはスクールを活用することで体系的な知識を身に付けられますが、中には学校に通うまでの時間や費用を確保できないという方もいらっしゃるかと思います。
エステサロンの中には、未経験者歓迎の求人を出している店舗もあります。そうしたエステティックサロンにパートやアルバイトなどとして勤務し、実務経験を積みながら学ぶという方法もあります。
働きながら研修・自主練習などをして実力を付け、徐々に施術を任せてもらえるようになるか、民間資格取得に挑戦してスキルを身に付けるケースもあります。