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スカルプネイルとはどんなネイル?ジェルネイルとの違いやメリット・デメリットを解説

スカルプネイルとはどんなネイル?ジェルネイルとの違いやメリット・デメリットを解説

細長く伸びた形状のイメージがあるスカルプネイル。施術した経験がある方もない方も、スカルプネイルの性質や、ジェルネイルとの違いについて知っておいて損はありません。
そこで今回は、取り扱い時の注意点まで含めて、スカルプネイルの基本をすべてお伝えします。

スカルプネイル(スカルプチュア)とは

スカルプネイル(スカルプチュア)とは

スカルプネイルは別名「アクリルネイル」とも呼ばれます。アクリルパウダーとアクリルリキッドを混ぜ合わせ、自爪の上に乗せて好きな形・長さに成形する技術です。一般的なジェルネイルはUVライトやLEDライトを当てて硬化させますが、スカルプネイルは時間が経過すると自然に硬化していきます。

スカルプネイルというと、細長い形状をしたネイルアートに特化した技術というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。しかし、スカルプネイルは当初、ネイルアートのためではなく、自爪が弱く割れたり欠けたりする悩みを持つ人向けの技術でした。
ジェルネイルが一般的となった現在でも、しっかりと長さと強度が出るスカルプネイルは安定した人気を誇っています。

ジェルネイルとスカルプネイルの違い

ジェルネイルとスカルプネイルの違い

スカルプネイルについて、「ジェルネイルとは何が違うの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。違いはいくつかありますが、大きな違いは「材質」「強度」「施術にかかる費用」が挙げられます。

スカルプネイルの材質は「アクリル樹脂(アクリルパウダーとアクリルリキッドの混合物:ミクスチュア)」で、ジェルネイルの材質は「合成樹脂」です。厳密にいうとどちらも合成樹脂なのですが、スカルプネイルは粘土のような造形に特化した性質があり、自然乾燥により硬化させます。対して、ジェルネイルは絵の具のように色を伸ばしたり描いたりする柔軟性があり、LEDライト・UVライトを使用して硬化させるという特長があります。

スカルプネイルは爪の長さ出しを得意とするネイルなので、自爪の形をベースにネイルを施すジェルネイルよりも強度が高く、長さや形も自由に成形できます。くわえて、デザインのアレンジ力にすぐれているため自爪が短くて変形している方でも美しい指先を作ることが可能です。
ただし、スカルプネイルの持続は3週間ほどとジェルネイルよりは少しだけ短めになります。もちろんこれはネイリストの技術力やケアの有無にも左右されるため、あくまでも目安としてとらえましょう。

施術費用に関しては、ジェルネイルよりもスカルプネイルのほうが高く、相場価格は1万円前後です。また、前述した費用には基本的にアートの代金は含まれていないため、アート性のあるデザインにすると1万5,000円〜3万円ほどになります。施術費用が高い理由として、スカルプネイルが高い技術を必要とするほか、施術にも時間がかかることが挙げられます。

なお、ジェルネイルについて詳しく知りたい方は、「JNA(NPO法人日本ネイリスト協会)」が主催するジェルネイル検定もおすすめです。詳しくはこちらの関連記事をご参照ください。

>>>併せて読みたい!ジェルネイル検定初級の合格率は高い?低い?合格するためのポイントを押さえておこう

スカルプネイルのメリット

スカルプネイルのメリット

こちらでは、スカルプネイルのメリットについて解説します。

好きな長さ、形にできる

スカルプネイルは短い爪でも長さ出しができ、自爪の形に左右されず自由に成形できるため、手指のシルエットをすらっと長く見せられます。自爪が短くても施術ができるほか、フォームやチップによって爪の範囲が広がるため、パールストーンなどで華やかなネイルに仕上げることも可能です。
また、スカルプネイルは強度が高いため、傷つきにくく折れにくいというメリットがあります。くわえて、簡単に取れることがないため、自爪が伸びるまでの保護・補強にも役立ちます。

1本だけ折れても補修できる

ジェルネイルは強度に欠けており長さだしには向いておらず、1cm未満の長さだしが限界です。そのため、もし1本だけ爪が欠けた場合、その指だけ爪が短くなってしまいます。しかし、長さだしが容易なスカルプネイルであれば、ほかの爪に長さを合わせることができ、いつも通りネイルを楽しむことができます。爪が欠けてしまった指だけスカルプネイルで施術を行い、ほかの指はジェルネイルで施術を行うという方法ができるネイルサロンもあるので、もし1本だけ爪が欠けて短くなってしまった場合は、ネイリストへスカルプネイルでの補修ができるかどうかを相談すると良いでしょう。

きれいなCカーブがつくれる

スカルプネイルでは長さだしをした際、爪の両サイドを親指で挟む「ピンチ」を行います。これにより、爪にきれいなCカーブをつけることができます。Cカーブとは、爪先を平行に見たときのカーブのこと。このカーブがしっかりつくられているほど、見た目が美しくなります。
しかしジェルネイルはこのピンチの工程を行わないため、スカルプネイルのほうが美しいCカーブをつくることができるのです。

スカルプネイルのデメリット

スカルプネイルのデメリット

魅力がたっぷりのスカルプネイルですが、一方で念頭に置いておきたいデメリットもいくつか存在します。スカルプネイルを検討する際は、デメリットも確認しておきましょう。

オフするのにネイルサロンに行く必要がある

スカルプネイルは特殊な材質でできているため、通常の除光液では落とすことができません。爪や肌への刺激が強いアセトンやスカルプネイルを削るためのマシンなどを使ってオフしていきます。無理に剥がそうとすると自爪に大きなダメージを与えることになるため、ネイルオフは基本的にネイルサロンでしか行えないと考えておきましょう。

ジェルネイルよりも施術に時間がかかる

スカルプネイルを施す際は、ネイルフォームを使ってネイルの形をつくるだけでなく、アクリルパウダーやアクリルリキッドを使ってネイルのもとをつくる工程が必要となります。そのため、ジェルネイルよりも施術時間が長くなってしまう傾向にあります。ジェルネイルの施術時間も長いと感じてしまう方やもっと手軽にネイルを楽しみたい方は、施術時間に不満を抱きやすいでしょう。

独特なにおいがする

ジェルネイルは無臭であるのに対して、スカルプネイルは独特のにおいを放ちます。そのため、スカルプネイルを取り扱っているサロンでは定期的に換気が必要となり、スカルプネイルに慣れない方は施術の際のにおいが辛く感じるかもしれません。実際に、ショッピングセンターの一角にあるネイルサロンなどでは、独特のにおいがあるスカルプネイルは取り扱っていないことが多いようです。あまりにおいが気にならない方からすればほとんどデメリットにはなりませんが、においに敏感な方には大きなデメリットとなるでしょう。

自爪への負担が大きい

スカルプネイルは、ネイルをしっかりと自爪に接着させるために、事前に自爪の表面を削る工程があります。そのため、自爪自体に傷がつき、薄くなってしまいます。ダメージが気になる方やもともと爪が薄いという方にとって大きなデメリットとなります。自爪へのダメージを軽減するためにも、こまめに美容液を塗るなどのケアが欠かせません。

スカルプネイルはこんな人・こんなシーンにおすすめ

スカルプネイルはこんな人・こんなシーンにおすすめ

誰でも気軽に挑戦できるスカルプネイルですが、下記に当てはまる方にはとくにおすすめです。

ネイルデザインにこだわりたい人

スカルプネイルは「長さがあり目立つネイルがしたい」「個性的なデザインを楽しみたい」「自分の好きなデザインにしたい」など、ネイルデザインにこだわりたい方にとくにおすすめです。爪の長さや形が自由自在なので、人とは違うエッジの効いたおしゃれを楽しめます。
また、スカルプネイルは成人式や結婚式などの華やかな場やパーティーシーン、ハロウィンなどのイベントにもぴったりのネイルです。指先も含めたトータルコーディネートを楽しむなら、ぜひスカルプネイルにチャレンジしてみてください。

自爪が弱い人

スカルプネイルは強度が高いため、自爪の弱さをカバーできます。例えば、「自爪が薄く割れやすい」「爪を噛んでしまう癖がある」「深爪にしがち」などという方は爪が変形しやすいのですが、スカルプネイルを施すことで爪の強度を高められるため、爪の割れや欠けを予防したり噛み癖を抑制したりできます。
また、スカルプネイルは長さや形の自由度が高いため、変形した爪の形状を整えることも可能です。きれいなCカーブをつくることで爪をほっそりと見せることができ、縦長の美しいラインを形成できます。自爪の形にコンプレックスがある方にもおすすめなので、爪にお悩みを抱えている方は一度ネイルサロンへ足を運んでみてはいかがでしょうか。

スカルプネイルに必要な道具と施術の流れ

スカルプネイルに必要な道具と施術の流れ

こちらでは、スカルプネイルに必要な道具と施術の流れについて解説します。

スカルプネイルに必要な道具

スカルプネイルの施術では、下記の道具を使用します。

アクリルリキッド スカルプネイル形成のもととなる液体。アクリルパウダーと混ぜ合わせて使用する。
アクリルパウダー スカルプネイルを形成するための粉末。アクリルリキッドと混ぜ合わせて使用する。
プライマー 自爪の表面の水分や油分を除去するための液体。アクリルミクスチャーと自爪の接着をよくし、ネイルの持ちを良くする。
スカルプブラシ(筆) アクリルミクスチャーを自爪に塗る際に使用する筆。
ダッペンディッシュ アクリルリキッドを入れる容器。
フォーム 爪の長さ出しをするときに使用する型。
ファイル 爪やすりのこと。ネイルの形を整えたり、自爪の表面を削ったりする際に使用する。
リムーバー(アセトン入り) ネイルオフの際に使用する液体。
ウッドスティック ネイルオフの際、アクリルを爪から除去する際に使用する。

スカルプネイルの施術の流れ

スカルプネイルの施術は、下記の流れで行われます。

1. 下準備・ネイルケア

ハンドソープで手指を洗い、エタノールを染み込ませたコットンで爪や指、手のひら、手の甲を消毒して油分・汚れを除去します。次にネイルファイルで爪の形を整え、目の細かいネイルファイル(バッファー)を使って爪の表面を軽く磨きます。自爪表面の汚れをワイプなどで除去したら、爪先にフォームを固定しましょう。

2. ミクスチャーを作る

次にアクリルリキッドとアクリルパウダーを混ぜ合わせて「アクリルミクスチャー」を作ります。
アクリルパウダーの表面を平らにしたら、ダッペンディッシュにアクリルリキッドを入れてスカルプブラシを浸します。容器のふちで余分なアクリルリキッドを落とし、筆先のみにアクリルパウダーをつけることで、化学反応が起きてアクリルミクスチャーができあがります。

なお、ミクスチャーが筆から垂れてしまうときは柔らかすぎ、粉っぽいときは硬すぎるというサインです。失敗したミクスチャーは使用できないため、新しく作り直す必要があります。

3. スカルプネイルを形成する

爪先にフォームを固定したら、自爪とフォームの間にミクスチャーを乗せましょう。爪のカーブに沿うように自爪の先端からフォームに向かってミクスチャーを伸ばし、長さと形を整えます。
その次に自爪が盛り上がっている中央部、さらにその次に自爪の根元に少量のミクスチャーを置いたら、爪先に向けて伸ばしていきます。厚さが均一になっているかなど、全体のバランスを確認して問題なければ硬化に入りましょう。

4. 硬化する

自然乾燥により、スカルプネイルを硬化させます。完全に硬化するには数分ほどかかるため、その間にCカーブを作るためのピンチングを行うのが基本です。ネイルの両端を親指で挟み、カーブができればフォームを外しましょう。

5. カラー・デザインを施す

硬化が完了したら、ネイルファイルで余分な部分を削り、さらに形を整えます。
その後、ジェルネイルを使ってお好みのカラー・デザインを施したら施術は完了です。

ネイルサロンによって施術方法には多少の違いがありますし、ネイリストの得意分野も異なります。ネイルサロンを利用する際は、自分好みのデザインに対応してもらえるかどうかを事前に確認することをおすすめします。

スカルプネイルの注意点

スカルプネイルの注意点

スカルプネイルを装着しているときは、下記の点に注意しましょう。

強い衝撃を与えないようにする

スカルプネイルは強度がありますが、強い衝撃を与えるとネイルが折れることがあります。また、自爪と密着しているため、スカルプネイルへの衝撃が自爪にも伝わり、その反動で自爪の表面が剥がれてしまうこともあるのです。
「パソコンのタイピング時は指の腹を使って衝撃を緩和する」「爪でシールなどを剥がさない」「皮膚をかかない」など、日ごろの動作には気をつけることが大切です。とくに、スカルプネイルをした直後は爪の長さに慣れずにぶつけることが多くなるので注意しましょう。

自爪とスカルプネイルの間に隙間ができたら放置しない

自爪とスカルプネイルの間に隙間ができた場合は、できるだけ早くネイルサロンへ行きましょう。ネイルの浮きを放置するとその間に水分や油分、湿気がたまってカビが生えたり、緑膿菌(りょくのうきん)の繁殖によりグリーンネイルを発症したりすることがあります。
ネイルの浮きは乾燥によって引き起こされるため、ネイルオイルやハンドクリームなどでこまめに保湿を行うことが大切です。また、水仕事も浮きができやすくなる要因なので、ゴム手袋を使用するなどの対策を行ってください。

自分で爪を切らない

スカルプネイルを施しているときは、自爪が伸びても自分で爪を切ってはいけません。スカルプネイルは厚みがあり硬いので、無理に爪切りなどを使用すると自爪や周りの皮膚を傷つけてしまう恐れがあります。
スカルプネイルのオフはネイルサロンで行うのが鉄則です。行きつけのネイルサロンへ行くか、もしも急を要するならスカルプネイルに対応した近くのネイルサロンを探しましょう。

性質を理解してスカルプネイルを楽しもう!

本記事でお伝えしてきたように、スカルプネイルはジェルネイルやマニキュアなど、ほかのネイルにはない特徴がたくさんあります。注意点もいくつかありますが、やはり普段とはちょっと違う気分を味わえる長いスカルプネイルは、一度試してみることがおすすめです。

また、スカルプネイルはジェルネイル検定中級の出題範囲にも含まれています。ネイルサロンで働くプロのネイリストの方であれば保有していることの多い資格なので、興味のある方はジェルネイル検定中級の合格を目指して勉強を始めてみてはいかがでしょうか。

>>>併せて読みたい!ジェルネイル中級とはどんな試験?気になる試験内容や合格率などを押さえておこう

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この記事の監修者

神宮 麻実

神宮 麻実

アフロートネイルスクール学院長

多数のモデルや芸能人を顧客として抱え、圧倒的な支持を得るネイリスト。 度々テレビや雑誌でも特集されており、本の出版も多数。